ギーセンジャパンについて


#日本の焙煎人口を増やす

ギーセンジャパンを運営しています代表の福澤と申します。

2021年8月よりオランダにあるギーセンコーヒーロースターズ社と提携し、日本国内の総代理店としてギーセンジャパンを設立いたしました。私たちはこれまでスペシャルティコーヒーの文脈で自社で自家焙煎のコーヒーショップや生豆の自社輸入、中古焙煎機の輸入販売をしてきました。

 

「なぜみんな焙煎をしないのか?」

これは私が異業種からコーヒー業界に入ってきて一番初めに感じたことです。
私は新卒で日本の広告代理店に入社し、その後アメリカの西海岸にある小さなマーケティングファームで働いていました。アメリカでコーヒーの楽しさを知り、日本に帰国後にコーヒー業界に入ったわけですが、コーヒーショップと名乗っているのにコーヒーを焙煎していないお店があるということを不思議に感じていました。ステーキ屋が焼いたお肉を仕入れて販売しているような感覚です。
(その当時の純粋な感覚というだけで、焙煎していないお店に対する批判ではないので悪しからず。)

 

「日本における焙煎のハードルが高い」

私自身は友人から譲ってもらった小さなコーヒースタンドでコーヒーの商売を始めます。どこかのコーヒーショップでコーヒーを学んだ経験はなかったので、国産の1kg釜と共に焙煎を含めてトライアンドエラーの独学で学んでいきました。徐々にコーヒー業界のことを知っていくのですが、 やはり「焙煎」のジャンルは職人の技という印象が強く、そして焙煎のレシピも焼き鳥屋の秘伝のタレのように大将だけが知っているという世界でした。

インターネット上を探しますが有益な情報ソースを見つけることはできず、たまにどこかのコーヒーショップさんが書いているブログ記事はありますが、それをどう自分の焙煎機で反映すればいいのか、そのことをディスカッションする相手も当時はいませんでした。

また焙煎機導入に関わるコストは非常に高く、海外製の焙煎機に関してはメルセデス・ベンツやBMWの新車並みの価格です。

 

「焙煎することはこれからのコーヒーの未来を考えること」

私自身、焙煎を始めてから生豆に興味を持つようになりました。
その後タイのコーヒー農園に足を運んだりするのですが、 コーヒーが農作物であることを強く感じ、昨今の世界的な気候変動も生産に影響を与えていることを肌で感じました。
また熱意のある生産者や現地のロースターとも出会い、よりコーヒーが愛おしくなります。
生産者の努力無くして素晴らしいコーヒーは作れません。消費国、さらには島国という日本において、スペシャルティコーヒーという文脈を適切に理解し、私たちが出来る小さなアプローチをこれからも続けていきたいと思っています。

「焙煎をハックする」

話を焙煎機に戻したいと思います。

私たちはギーセンの焙煎機を扱っていますが、国産焙煎機、海外製の焙煎機、それぞれに良さがあります。焙煎における化学変化を理解し、プロファイル次第ではどんな焙煎機でも美味しいコーヒーを焼くことが出来ると思います。
キャンプ場で手網焙煎にチャレンジしたことがあります。
グアテマラの豆でしたが、ビター感は全くなく、普段感じたことのない繊細な香りや風味でした。焙煎のエッセンスはとても身近なところにあるのではないでしょうか。

手前味噌ですが、ギーセンはWCRC(World Coffee Roasting Championship )の公式マシンであり、様々な指標をデジタルの数値で取得出来ることからも、その再現性や安定性が世界的に評価されています。
(2006年までギーセンはプロバット社の組み立てやメンテナンスを請け負っている工場でした。現在オールドプロバットと言われる焙煎機はギーセンが手掛けたものが多くあります。)

しかし焙煎機というものは、「美味しいコーヒー」を目指す為の一つのツールにすぎません。

日本における「焙煎」の市場を大きくすること、ロースターが目指す世界に焙煎機を添えてあげる、それがギーセンジャパンとしてのミッションでもあります。

 

「世界基準の焙煎を日本から」

業界の先人たちの努力により、スペシャルティコーヒーの裾野が広がり、多くのインディペンデントコーヒーショップが生まれてきています。

・一人でも多くの人が「焙煎」に関わること

・誰もが焙煎の情報にアクセスできること

・「焙煎」の技術を磨き合うような環境が生まれていくこと

これらを実現していくことで日本のコーヒーシーンはもっと素晴らしいものになると信じています。

ギーセンジャパンとして、その環境作りを全力で支援させて頂きたいと考えています。今後ともギーセンジャパンをどうぞ、よろしくお願いいたします。

ギーセンジャパン
代表 福澤